2016年6月24日金曜日

雄蜂の哀れ

女王蜂は働き蜂(雌)と雄蜂を産み分ける事ができます。
働き蜂は授精卵から生まれ、雄蜂は未授精卵から生まれます。
雄蜂は女王蜂と同一の遺伝情報を持ったクローンとして他の群れの女王蜂と交尾する為にのみ存在しています。すなわち蜜を集めたり、育児をしたり、門番をしたりということは一切しません。居候として普段は無駄飯を喰らい、ふらっと外に飛び出しては交尾の機会を待ちます。
春から初夏にかけて群れは雄蜂を一定数保持しようとします。これは分蜂と同じく群れの生存戦略だと考えられます。自分たちの子孫を残そうとする蜜蜂たちの意志です。
しかし雄蜂はある意味、贅沢品でありそれなりのコストがかかります。
本格的な夏(蜜の少ない時期)や越冬の時期になるとコスパが悪くなります。
そういう時期になると哀れ雄蜂は巣を追い出されます。ぐふぅ(泣)可哀そうに。


まるっと太いのが雄蜂で、それを引っ張っている一回り小さいのが働き蜂です。

ちなみに雄蜂は素敵なクイーンと交尾が成功したとしても、その瞬間クイーンから圧縮空気を送られ男性器と内臓の一部をクイーンの内部に残したまま爆死します。
天国と地獄が同時にやってくる。ぐふぅ(泣)何たる不条理。



女王蜂のお尻の先に白いモノが付いていますが、これが雄蜂のなれの果て。交尾標識と呼ばれています。

通常の養蜂家としては雄蜂の存在はあまり意味のない(少なくとも自群には)もの、貯蜜を減らすやっかい者として扱われているようです。
雄蜂より働き蜂が増えたほうが生産性が高まるという理屈です。
しかしそれはあくまで人間的思考ではないかと思われます。雄蜂がたくさんいると、働き蜂たちもとてもよく働くように見受けられます。気分も安定してイキイキとお仕事されているように思えます。そんなわけで個人的には群れの意思を尊重して満足するまで雄蜂作ったらええんちゃうかと考えてます。
作りすぎたら作りすぎたでちゃんと調整しよるしなぁ。見てて哀れを誘うけど。



本日は晴天過ぎなり。気温35度、ガチの太陽光線直射で体感45度くらい。
約3リットルの水分を補給しながら適度に休憩しながらの作業でした。段取り悪くて11時間も働いてしまつた。
時間をずらすか、空調服を買わないともたんな。

2016年6月23日木曜日

ブラッククイーン

沖縄で養蜂を始めてびっくりしたのが女王蜂が黒いこと。
どうもカーニオランとの混血のようです。
混血具合は様々で写真のクイーンはかなり黒いほうです。通常カーニオランの性質としては寒さに強い(暑さに弱い)、大人しい、グルーミング行動によりダニ耐性が相対的に高い、分蜂性が高い、などがあるようですが、イタリアンとの混血では元の性質はだいぶ薄れて暑さにも弱いということは無くなるそうです。


働き蜂にもイタリアン的な娘とカーニオラン的な娘がいます。
カーニオラン系の血が強いほうが集蜜力が高いような気がするが気のせいだろうか。ブラッククイーンは内検時には見つけにくいけど、とても美しい。黒い宝石のようだ。

2016年6月22日水曜日

初搾り

先日、初の採蜜作業を行いました。
6月あたまにはもう少し溜まっていたのだが、もうちょいもうちょいと待ってる間に無蜜期に突入してしまい、仕事に追われているうちに貯蜜がハチさんに食べられてしまった。わずかに残った蜜巣枠を3枚回収し4キロ弱の蜜を採ることができました。


サシグサ(タチアワユキセンダングサ)がベースではありますが、いろんな花が混ざっているようで、オレンジのようなパインのようなフレーバーがあってとても爽やかな風味です。
うちの娘たちはなかなかやる笑。
初モノなので友人や親せき、お世話になった人たちにおすそ分けです。



蜜蓋部分以外はだいぶ蚕食されてしまった。でもそれなりに重い。



蜜蓋をカットして分離機にかける。けっこうドキドキ。

もう2週間早く採蜜すれば倍以上はとれたなぁ。まあこれも経験です。

沖縄の蜂蜜は一度食べるとファンになる人が多く、ニーズはあるんですがいかんせん採れる年、採れない年の差が結構あったりもします。最近は蜂群(蜂場)の分布も年々過密になっているので量を採るのが難しくなっているそうです。

秋にまたサシグサの流蜜があるとの事なので、次は充実した採蜜群を作ってやろうと計画中です。

2016年6月18日土曜日

亜熱帯の妖しい花々

本日も朝から一日良い天気でした。
蜂場二か所で給餌作業、分割作業などを行う。
産卵開始群が数群確認できた。
H先輩は産卵開始した女王を見ると思わずありがとうって言ってしまうよね、との事。
おお、この気持ちはまさに感謝の気持ちであったかと激しく同意してしまった。が、声には出していなかったので、最近は産卵開始した女王に声にだしてありがとうと伝えている。


ふと見ると名前も知らないいかにも亜熱帯な花が咲いていたので写真撮ってみました。
 

こちらは野生?の花かな。アリがよっているので蜜を出しているようです。



こちらは他人様の植えたもののようですが、面白いフォルムです。



今日は珍しくお昼時にクロッコがおねだりに来ず、5匹そろい踏みで授乳中。1匹は既に寝ている。今日も暑いしね、グッタリやな。
クロッコ、お前も頑張ってるなぁ笑。



あ、お母ちゃんどっか行ってもた。


仕事帰りに58号線から羽地方向を望む。


同じく58号線から南西方向。一日として同じではないのがいい。見飽きることがない。

2016年6月17日金曜日

アリ襲来

昨日から梅雨も開け、 沖縄 は一気に夏空。


やっと雨から解放されて溜まった仕事を片づけようと思ったら黒アリの襲来でミツバチがどんどん力尽きて死んでいる。こりゃイカン。予定は後回しにしてアリ対策を実施する。
案の定、巣箱の中に大量のアリが侵入し、中のミツバチはほとんどパニック状態。
三角ゴマに鳥餅を塗って巣箱の土台にかます作業と、今回は草刈り&消石灰を蜂場の周りに撒いて防衛ラインを作ってみました。
本気で照りつける太陽の下、俺はヤキパニジャ、俺はヤキパニジャと唱えながら・・・笑。
ペットボトルに入れたホウ酸糖液のアリの巣コロリ的作戦も同時に実行中。こちらは効き目が出るまで少し時間がかかる。

根本的な対策を考えたいが作業に追われて応急的なことしかできないのがつらい。
しかし黒アリがここまでタチが悪いとは思わなんだ。

昨夜、師匠に分割群数を報告すると、「これからはその群数を維持することに力を注ぎなさい」との事。まだサシグサ咲いてますがもう蜜とか花粉はないんですかね?と聞くと、「見せかけに騙されたらだめよ~、大事なのは巣箱の中よ~」とのこと。内検での状態把握と給餌で次世代の育成を進めることが一番大事ということだと理解した。
とりあえず分割群の産卵開始までの管理をマメにやって完成群の数を増やしていかない事には話が始まらない。そう俺はもっとヤキパニジャにならといかん笑。


疲れを癒してくれるのは最近生まれた子猫たち。

クロッコの子供5匹が元気に休憩所内で遊びまくってます。キュン死しそうなほどカワイイ笑。


ちょっと珍しい?黄色のハイビスカス。
今日も一日ハードでしたが、気分は壮快。明日もガッツリ頑張ろう。

2016年6月15日水曜日

無蜜期に入ったか


どうやら明日から梅雨開けしそうな沖縄です。
先週までいい感じで蜜を集めていた蜜蜂ですが、どうもここ数日様子が変。昨日と今日で蜂場Hの給餌作業をしていると、花粉ペーストへの食いがすごい。貯蜜量も急激に減っている様子。
どうやら噂の無蜜期(無花粉期?)に突入したようです。
初めての沖縄での亜熱帯養蜂ですがやはり本土とは環境がだいぶ違うので、諸先輩のアドバイスがとても貴重です。
この一カ月ほどはA師匠の「今は騙されたと思ってとにかく分割しなさい。今しかないよ~」との言葉にしたがい可能なかぎり頑張ってみた。
今日の給餌で蜂場Hではもう分割(割り出し)は出来ないことがわかった。暑さ(湿度?)と花粉切れで産卵パターンが変化し、蜂数が減り始め現状維持が精いっぱいの状態。これは分割できん!笑。
師匠の言っていたのはこのことだったのね。

ちなみに沖縄では群れを増やしたい場合、無王1枚群から可能です。スゴイでしょ?
最初信じられんかったけど確かに出来ます。ただし交尾成功、産卵開始まで行けるのは約7割くらいの確率です(今の自分では)。


巣枠を掴んでいる指のほうにワラワラ登ってきてなにやらチュウチュウしている。
わずかな糖液か、花粉ペーストが付いてたかなと思って観察。
もしかして君たち花粉不足?でも君たち未交王が行方不明で現在無王じゃね?
試しに巣箱に花粉ペースト置くと、あっという間にこんな↓感じ。


普通は割り出し群は産卵開始するまで花粉ペーストほとんど食わんのだが・・・めちゃ食うとるね。完全に周囲の蜜源・花粉源が枯渇したな。育児以外にも自分たちの分のタンパク質が必要なんやね。
諸先輩やA師匠の「夏は蜂がだいぶ減るからよ~」に、背筋を冷やしつつ、夏越えが上手な人はマメな給餌を行っているというのを小耳にしっかりはさんでいるので、あとは体力の続く限り実践あるのみ。
そう他県では越冬対策が腕の見せ所ですが、ここ沖縄では越夏対策がキモです。
ちなみに越冬は「ありません」。冬でも増群可能です。スゴイでしょ?笑。
というわけで、1-3月期の花粉交配用蜜蜂の供給源はほぼ沖縄になっているそうです。

今年から沖縄で養蜂修業ができることになり、毎日がはっぴーで夢見ているようです。
まだ何の実績もないのですが、交配用蜜蜂の育成と、採蜜群の育成と両方やるつもりです。
アニキには両方やるとどちらも半端になるよ~と忠告されていますが、やはり沖縄の蜂蜜は最高に美味しいんでねぇ、やっぱり生産したいと思う初心者なのです笑。


カントク(雄猫)によると、夏は暑くて仕事にならんからよ~飲んで寝るのが一番さあ、とのこと。